老人保健施設は利用者が在宅に戻ることを主目的にする施設である。
病状を安定させ、リハビリをして頂き、家庭に帰れるようにする。
言ってみれば特別養護老人ホームと在宅の中間に存在する施設である。
そのリハビリについて中島氏はこう語る。
「リハビリといったときに、狭義のリハビリ、広義のリハビリの2種類があります。狭義のリハビリは
硬直した体を少し動かしてみる、などといったもの。広義のリハビリは老健でやるものは全てリハビリ、
という生活リハビリという考え方です。」
筋トレなどのパワーリハビリは狭義のリハビリに当たる。
リハビリをするときには専門員であるOT PT STが作業に当たる。
しかし、現状では各老健に一人か二人しかいない。
まだまだ少なく、地域での横のつながりも少ない。
又、チームケアが出来にくい現状もある。
老健内で働く職員の方2名にインタビューをしてみた。
「実際問題、OT,PT,STっていうのは介護士とかの会議に出てくれないことも多いです。」
患者さんの情報の共有をしたいが、なかなか出来ていない。
「昼間と夜間で全然状態が違うときもあるんですよね。そうした時に、リハビリ職の方は昼しか見ないこともあるんです。それで、リハビリのプランが立てられてしまうと、患者さんに適したサービスのになっていないこともあるんですね。」
介護士は常にそばまわりをすることが多く、その情報がしっかり伝わればいいが、なかなかそうはいっていないらしい。
又、チームケアの現状について、日本レクリエーションの片山氏はこう分析する。
「例えば、看護士と介護士の連携も上手く取れていないのが現状でしょうね。
なんだかんだで医者が一番上で他がサポートしていくのが現状ですから、
看護士には昔から過酷な労働をしてきたのだ、という自負があるような気がします。
そうした時に介護士なんていうのはまだ歴史が浅いですから連携は難しいでしょうね。」
しかし、チームケアが実現すればこんなにいいことはない。
患者さんは医者、介護職、リハビリ職、看護職、介護支援専門員、栄養士、ソーシャルワーカーの
誰に相談してもその情報が共有化され、それぞれがそれぞれの立場で患者さんにとって最適な
対応をすることが出来る。
「現状では、誰に相談してもいいかわからず、結局全員に言わなくてはいけない。」
と介護職の職員は話す。
「これからはチームケアが課題です。」
中島清考氏はそう語る。
老人保健施設が本当の意味で家庭帰還を目的にした施設になるように、
チームケア、地域ケアが本当の意味で根付くことを願う。
そのためには全員に情報が瞬時に共有化されるようなナレッジマネジメントが急務である。
又、全老健に、現場の声が入ってくるように、そのナレッジマネジメントが瞬時に各データフォルダに
振り分けられるといった双方向のナレッジマネジメントツールが必要になる。
そうした上で長年積み上げられてきた医者と看護婦の関係や、組織内の関係性をもう少し
フラットになることが望ましい。
いずれにせよ、老健も変革の時代に入るだろう。